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ブースターショットの効果について

2月初旬から、当地区でも3回目の新型コロナワクチン接種(ブースターショット)が行われています。しかし残念ながら現時点では若い方の接種率があまり上がっていません。その理由として考えられるのは、発熱などの副反応への不安、現在流行しているオミクロン株は元々症状が軽微で、また感染予防効果があまり期待できないのではという意識が影響しているのではと推測します。

確かに、特に若い方には発熱などの副反応が強くみられる傾向はあります。しかしそれらは数日で治まる症状で、重篤なものは殆どありません。そしてマスコミでは、感染予防効果についてはあまり期待は出来ないが重症化予防効果だけは期待できるという報道がよくなされます。

当院では、ワクチン接種も行っていますが、発熱外来で新型コロナウイルス検査も行っています。その立場で実感として感じるのは、やはり接種していない方に陽性者が多いという点です。

それを確認する意味で、今回次のようなことを行ってみました。

2022/1/6~2022/4/8までの間に当院の発熱外来で陽性だった112名の患者さんの、ワクチン接種状況を調べてみました。その結果は、ワクチン接種無し(CV0):38名、1回接種(CV1):1名、2回接種(CV2):66名、3回接種(CV3):7名 でした。このままでは比較が出来ないので、当地区における全人口あたりの接種率(3/21時点で、CV0:22.1%、CV1:0.7%、CV2:48.1%、CV3:29.1%)を使って補正を行いました。その結果は、CV0:171.2名、CV1:142.8名、CV2:137.2名、CV3:24.1名となります。この結果より言えることは、ワクチン接種による陽性者の減少効果率は、CV1:17%、CV2:20%、CV3: 86%ということになります。現時点では半年以上前に行った2回のワクチン接種による感染予防効果は2割程度にまで低下しているが、3回目のブースターショットを行った方については感染予防効果は8割以上を示しています

今回の結果はサンプル数が少なく、統計学的には有意差が出せないでしょう。そしてブースターショットを接種した方の中にも陽性の方がおられることも事実です。しかし世間で言われている以上に感染予防効果もあるのではというのが私の実感です。

現在流行しているオミクロン株は確かに症状は軽度ですが、後で後遺症に悩まれる若い患者さんも多いようです。また地域の集団免疫を高めて地域の感染蔓延を抑えることは、ひいては社会活動の正常化を早める事にも繋がります。そのような意味でも若い方の積極的な接種が望まれます。 

院長

2022/4/11